子どものケータイ・ネット利用一緒に考えてみませんか?

デジタルシティズンシップとは?

世界の常識を知ろう!

 子どものネット教育の流れは、おおよそ「危険性の排除」から「社会に参加する接点」へと約20年かけて移り変わってきました。
 そもそもインターネットは、西洋社会の「公開の議論」「参加」「表現の自由」といった価値観と相性のよい、民主的なコミュニケーション空間として広がってきました。その空気は、ネット普及初期に生まれた「ネチズン(Netizen=ネットの市民)」という言葉にも表れています。1990年代にマイケル・ホーベンが提唱したネチズンは、ただの利用者ではなく、議論に参加し、助け合い、公共性を支える「市民」としてネットに関わる人を指しました。つまり当初から、ネットは「社会の場」として意識されていたのです。
 ところが、子どもが利用者として急増すると、教育の焦点はまず危険から守る必要に迫られました。個人情報、詐欺、いじめ、有害情報……。欧米でも長く、オンラインの安全確保(e-safety / online safety)が中心テーマでした。しかし、このアプローチには限界があります。危険を全部避けることは不可能ですし、「危ないから近づくな」だけでは、子どもが現実に直面した場面で判断できません。守るだけでは追いつかない、という壁にぶつかったのです。
 そこで広がっていったのが、デジタルシティズンシップ教育(DC教育)です。ポイントは「保護」から「エンパワー(力をつける)」への転換です。たとえば欧州評議会は、子どもを守る施策の重要性を認めつつも、それだけでは足りず、学習者がデジタル社会で主体的に参加できる力を育てる必要がある、と明確に述べています。さらにDC教育を、民主的な権利と責任をオンラインで行使し、人権・民主主義・法の支配を守る力を育てる教育だと定義しています。
 この流れを後押ししているのが「権利」の視点です。国連の子どもの権利条約に関する一般的意見25号(2021年)は、デジタル環境においても子どもの権利は尊重され、保護され、実現されるべきだとし、機会とリスクの両方を見据えた政策と支援を求めています。ネット利用は“危険物を避ける話”だけではなく、学び、表現し、参加する権利にも関わる、という整理です。
 ここから見えるのは、子どものネット利用を「危険だから使用禁止」や「使えば自然と上手に使える」「今更子ども達からネットを取り上げることはできない」といった単純な図式で語れない、ということです。大切なのは、社会のコミュニケーション空間としてネットを捉え、子どもがそこで失敗も含めて学びながら、他者と折り合いをつけ、判断し、参加していけるようにすること。ネチズンという言葉が最初から示していたように、ネットは「市民として育つ場」でもあります。その前提に立つと、私たちの教育は「禁止するか許すか」ではなく、「どう育てるか」に自然と移っていきます。

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