問題理解編

問題理解編

現在の指導スタイル

 子どものケータイ利用問題とは、様々な事象や課題の総称です。まずは、この問題の原点を考えましょう。
 多くの方は、子どものケータイ利用問題を、事象面から考えているように思えます。例えば、少女売春の問題では、出会いを求める女子生徒と、そうした女子生徒を誘い出そうとする大人の行為を問題としています。ですから、「安易に出会おうとしない」「個人情報を載せない」などと注意するのです。
 スマートフォンで撮影した画像に位置情報を記録する機能が問題になっています。位置情報の記録がついた画像をSNSに発信することで、(自宅で撮影した場合は)自宅の位置を知らせてしまう、というのです。
 掲示板が使われた時代から、悪口を書き込むネットいじめがありましたが、このときも「不快に思われる言葉は発信してはいけない」と注意したものです(これはLINEにおいても同様ですね)。
 さて、これらの問題の捉え方は、実害のある問題にたいする直接的な抑止を狙ったものだということが分かります。間違ったことをしなければ、問題にならないという理屈でしょうか?もしも、そうだとすれば、重要な部分を見落としているかもしれません。

 

問題の見方を変える

 そもそも、ケータイを持てば、誰でも同じ確率で問題に直面するのでしょうか?画像に位置情報を記録する「ジオタグ」は何の為にあるのでしょうか?事件や事故に直接結びつく行為だけを見ていては、こうした疑問に答えることができません。こうした問に答えるには、動機を考える必要があります。
 少女売春問題の背景には、家庭事情や被害者となる少女自身が抱える心の闇、価値観の歪みや将来に対する悲観視など、様々な要因があります。突然売春したくなったのではなく、様々な要因が積み重なり、売春へ意識が向いていったのです。
 ジオタグは、そもそも旅行先や思い出として撮影した画像に使われるデータです。画像だけでは場所の特定が難しいし、時間と共に記憶も曖昧になります。しかし、位置情報があれば、いつでも記憶を思い出すことができます。
 ネットいじめも、根底には対人関係スキルや学級運営などの実生活の課題や、情報の読み解き能力不足や誤解など「情報耐性」不足などの要因があります。
 こうした問題の原点にある物事の動機(そもそもなぜそうなったのか?)を考えることで、本質的な指導が可能になります。この方法は、動機や仕組みを考えることで、問題を予測することができる為、未然防止の観点からも重要な考え方と言えます。

 

機会+動機=結果

 ケータイが私たちに与えてくれた力は、「つながる」ことです。今まで出会うことができなかった人や情報と、自由につながる機会をケータイは与えてくれたのです。あとは、どんな情報と、誰と、どうしてつながろうとするのか?つまり、動機が重要になります。
 もっと勉強したいけれど近くに学校がないなど、学ぶ機会(=必要な情報に触れる機会)に恵まれない人にとって、インターネットをはじめとした高度な情報通信サービスは、未来を与えてくれる大変価値のあるものになります。しかし、強盗を企てる人にとっても、闇サイトを通じて強盗仲間を募る道具としてケータイが「便利に」使われてしまいます。
 逆に、仕事の連絡以外には情報を必要としていない人にとっては、週末にケータイを使う価値は限定的なものになるでしょう。どんなに高機能な通信機器でも、それをつかう目的(動機)が限られていれば意味が無いのです(しかし、これは本人の選択のため、悪いことではありません)。
 たとえ無料で楽しめるゲームを紹介されても、ゲームに価値を見出さない人はゲームをやりません。自分を大事にしたいと思う女性なら、高収入バイトの広告を見ても、安易に風俗バイトに応募しないでしょう。
 ケータイは様々な情報に触れる機会を与えてくれます。そして、その機会をどのように活かすかは、動機がカギとなるのです。

 

ケータイは動機を生み出す道具

 ケータイを正しく使うとは、正しい動機を持つということに等しいと思います。では、長時間ケータイを使う子ども達は、正しくない動機を持っているのでしょうか?実はそうではありません。むしろそうした子ども達は、そもそも動機を持っていない事の方が多いのです。
 一般に道具を使う時は動機が先にあります。例えば、「目の前に包丁があるから」という理由で包丁を手にする人はいません。ハサミも自転車も、使う理由(動機)が先になければ使わないものです。しかし、ケータイは動機を生み出す力があります。分かりやすいのが広告です。広告を見るまでは気にしなかったことも、広告を見た為に気になってしまった事はみなさんも経験があると思います。
 また、なんとなく、ヒマだから、など漠然とした理由でニュースアプリや動画、ゲームなどを始めると、だんだん夢中になっていきます。「のめり込む」という表現がぴったりですね。
 さらには、チャットをしていたらノリで言葉が乱暴になった、みんなの発言につられて、自分も調子に乗った、返信しないと嫌われるかもしれないからケータイが手放せない、など、自己コントロールが上手くできず、その場の状況によって作られてしまう動機もあります。
 ケータイは間違った動機を持って使うことで問題になりますが、動機を持たずに(ケータイによって作られた動機によって)使うことでも問題になるのです。子ども達がケータイを使うことで様々な課題を抱える理由は、こうした動機の持ち方に原因があるのです。

 

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